「この成績で志望高校に行けますか」と聞かれたときに確認すること
30秒で読むまとめ
「この成績で志望高校に行けますか」という質問に、成績だけを見て答えることはできない。
なぜその高校へ行きたいのか、内申が低い原因は学力なのか、提出物や授業への取り組みなのかを確認する必要がある。
志望校の話より先に、期限を守る、必要なものを提出するという基本から直さなければならない場合もある。
新中学3年生になる頃から、保護者の方や生徒本人に聞かれることが増える質問がある。
「この成績で、○○高校に行けますか」
この質問への答えは、
「行けるとも言えるし、行けないとも言える」
となる。
受験は、基本的には受験者が選ばれるものである。
今の段階で合格を保証することはできない。
「やってみなければ分からない」
「行けないと言われたら努力しないのか」
と答えることもできる。
ただ、その前に確認したいことがある。
なぜ、その高校へ行きたいのか
最初に確認したいのは、
なぜその高校へ行きたいのか。それは本人の本心なのか。
ということである。
中学生の志望校は、本人が一から調べて決めたものとは限らない。
保護者から勧められた。
友達が行きたいと言っていた。
学校や塾の先生から名前を聞いた。
地域ではよく知られている。
そうした周囲の影響によって、志望校が決まることは多い。
それ自体が悪いわけではない。
中学生が、何の情報もない状態から自分だけで高校を選ぶのは難しい。
ただ、周囲から与えられた志望校であっても、一度は本人が考える必要がある。
- その高校の何に魅力を感じているのか
- 入学後に何をしたいのか
- 卒業後はどのような進路を考えているのか
- 本当に、その高校へ行くために努力したいと思っているのか
「行けますか」と聞く前に、まずはここを整理したい。
内申が足りないなら、何が原因なのかを見る
志望校を聞いたあとに成績を確認すると、
そもそも内申が大きく足りていない。
ということも少なくない。
その場合、単に「もっと頑張ろう」で終わらせてはいけない。
同じような内申でも、低い理由によって必要な対応は変わるからである。
テストの点数が取れず、評定が上がらない
テストの点数は取れているが、提出物や授業中の取り組みで評定が上がらない
前者であれば、勉強を教え、テストの点数を上げることが必要になる。
分からない単元を戻って学習する。
ワークの使い方を変える。
覚えるべきことを覚える。
テスト前の学習量を増やす。
これは、一般的にイメージされる塾の指導である。
一方で、テストの点数は悪くないのに成績が上がらない場合は、勉強を教えるだけでは解決しない。
提出物、授業中の課題、小テスト、忘れ物など、普段の行動を確認しなければならない。
授業態度とは、笑顔でうなずくことではない
「授業態度を良くする」と聞くと、
先生の話を見ながら、笑顔でうなずく。
積極的に手を挙げる。
そのような行動を思い浮かべるかもしれない。
しかし、分かっていないのにうなずいても意味はない。
真剣に考えている最中に、ずっと笑顔でいる必要もない。
授業態度に表れてほしいのは、学ぼうとする具体的な行動である。
たとえば、学校の授業前に塾で軽く内容を確認しておく。
そこで、
「ここが少し分かりにくい」
「この部分の意味が曖昧だ」
という疑問点を明確にする。
そして、学校ではその部分を集中して聞く。
理解できたなら、自信を持って発言する。
分からないなら、質問する。
授業態度は、良く見せるための演技ではなく、理解するための行動に表れてほしい。
評定が2前後なら、志望校より先に直すことがある
評定が2前後の状態で、
「○○高校くらいには行きたい」
と相談されることもある。
もちろん、学力が足りない場合もある。
ただ、評定が2前後になる原因は、学力だけではないことが多い。
- 提出物を期限内に出していない
- 未記入や未完成のまま提出している
- 必要なプリントや課題をなくしている
- 授業中にやるべきことをしていない
- 小テストや課題の存在を把握していない
こうした状態であれば、まず直すべきなのは受験勉強以前の部分である。
やらなければならないことを確認する。
期限までに完成させる。
指定されたものを漏れなく提出する。
なくしたら、もう一度もらいに行く。
いつ出せばよいか分からないなら、その場で聞く。
こうした行動は、高校受験のためだけに必要なのではない。
高校へ入ったあとも、大学や専門学校へ進んだあとも、就職したあとも必要になる。
志望校選びや受験勉強は、その基本ができるようになってからの話である。
内申が低いと、選べる高校が減っていく
内申制度の評価方法に、納得しにくい部分があることも分かる。
内申を取るための行動と、本来の意味で学ぶことが一致しない場合もある。
それでも、現実の高校受験では内申が使われる。
内申が低ければ、併願できる私立高校が限られる。
私立の併願先が見つからなければ、公立高校だけを受験する形になりやすい。
そうなれば、不合格になった場合の不安は大きくなる。
高校そのものには、さまざまな選択肢がある。
定員に余裕のある学校や、学び直しを重視する学校もある。
そのため、直ちに「高校へ行けない」と決まるわけではない。
しかし、
自分が高校を選ぶ状態から、入れる高校を探す状態へ変わる。
ということは起こる。
志望校へ行く可能性を高めたいなら、テストの点数だけでなく、普段の行動から変える必要がある。
勉強を教えるだけでは、成績が上がらないことがある
塾へ通い、問題の解き方を教わり、テストの点数が上がった。
それでも、学校の成績が上がらないことがある。
提出物や授業中の取り組みが変わっていなければ、当然起こり得ることである。
一般的な塾では、学校の提出物を一つずつ確認することまでは、指導の範囲に入っていない場合も多い。
瀬谷松栄塾では、必要に応じて提出物や小テストについても確認している。
ただし、塾側が存在を知らないものは管理できない。
実際に、生徒からは次のような言葉が出る。
- 「提出物はありません」
- 「小テストはありません」
- 「持ってくるのを忘れました」
- 「やったけれど、出すタイミングが分からなくて出しませんでした」
- 「プリントをなくしました。もう一度もらうのを忘れました」
ここまでくると、塾だけではどうにもならない部分がある。
本人が必要な情報を伝える。
学校から配られたものを持ってくる。
提出期限を確認する。
そして、家庭と塾が必要な情報を共有する。
この協力が必要になる。
保護者と本人の間に、塾が入ることもある
保護者の方も忙しい。
子どもとゆっくり話す時間を取れないこともある。
忙しくなると、日常のどうでもよい会話が減る。
どうでもよい会話が減ると、話す内容は用件ばかりになる。
「提出物を出したの」
「テスト勉強はしているの」
「成績は大丈夫なの」
そうした話ばかりになれば、子どももまともに返事をしなくなる。
正直に話さなくなることもある。
そのため、塾でも、生徒と必要なコミュニケーションを取るようにしている。
保護者には言いにくいことでも、塾では話せる場合がある。
塾から伝えた方が、本人が受け入れやすい場合もある。
保護者と生徒の間をなめらかにつなぐ潤滑油、というより、
ハンバーグの材料をつなぐ、パン粉や小麦粉のような塾でありたい。
そう考えている。
「行けますか」の前に確認すること
1.なぜ、その高校へ行きたいのか
本人がその高校へ行く理由と、努力する意思を確認する。
2.内申が足りない原因は何か
テストの点数なのか、提出物や授業中の取り組みなのかを分ける。
3.学校でやるべきことを把握できているか
提出物、小テスト、期限、必要な持ち物を確認する。
4.期日までに完成し、提出できているか
「やった」だけでなく、完成して提出したところまでを見る。
5.家庭と塾で情報を共有できているか
本人任せでは管理できない場合、周囲が協力する必要がある。
今の成績だけを見て、志望高校へ行けるかどうかを断定することはできない。
これから内申や学力が上がる可能性もある。
反対に、今のまま何も行動が変わらなければ、選択肢が減っていく可能性もある。
だから、
「行けますか」と聞いて安心することより、行くために何を変えるのかを決めること。
こちらの方が重要である。
